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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第19章 炎虎 【煉獄杏寿郎】2


あやを見送った後、俺は迎えの車に乗って事務所に戻る。
高橋はもう驚き過ぎてポカンと口を開けて俺が戻ったのを見た。俺は肩をすくめて笑って見せた。

「・・・杏寿郎さん、どーしたんですか。」
「何と、今日は貢物も断られた。」
「はぁ?変わったホステスですね。」
「・・・自分の欲しいものは自分で買うんだそうだ。」
「はー・・・。」
「・・・取り敢えず、歌舞伎に連れて行って、観覧車に乗ってキスはしたぞ。」
「・・・で、それで終わりですか?」
俺は笑いながら大きく頷く。そして眉間に皺を寄せて高橋を見る。
「・・・ホテルに連れ込むにはまだ時間がかかりそうだ。」

「杏寿郎さん、楽しそうですね。」
「あぁ、久々に楽しい。」
俺が笑顔を向けると、高橋も呆れたように笑い返してきた。



一呼吸置くとスッと俺と高橋は真顔に戻る。
「・・・さぁ高橋、今朝の件の報告を頼む。」




前回あやの事を調べたら、本当にOLだった。あやは本名だし、歳も26だった。
剣道も空手も本当にやっていてどちらも有段者の腕前のようだ。4年制の大学も出ているらしい。
住まいを調べると会社の借り上げのマンスリーアパートに住んでいた。
何度か若い子に行かせたが、あやは本当に毎朝、スーツで出勤し、夕方には帰宅していた。
つくづく不思議でならない。何のためにホステスをしているんだろうか。
まぁいい。素性も明らかになったことだし、じっくり向き合ってみる。
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