第19章 炎虎 【煉獄杏寿郎】2
顔を離すと杏寿郎はまた子供の様な顔でにこっと笑う。あやもつられて微笑み返す。
「君は、その笑顔がいいな。綺麗だ。」
「・・ありがとうございます。」
2人、絡んだ視線を離せずにいると杏寿郎の指があやの指に当たる。杏寿郎もあやも一度視線をその指先に落とすと、杏寿郎が指先を動かしてあやの手を手繰り寄せて捕らえる。
杏寿郎は少し力を込めて握ると小さな声で「あや」と呼び、また視線を絡ませる。
顔が近づく。ちゅ・・ちゅ・・ちゅ・・と唇が重なって、合間に「ふっ・・」と微かに互いの吐息。
それ以外の音は聞こえなくなった。世界にお互いしか存在していない様な静寂と、触れ合っている肩と、鼻先と、唇の体温に互いの心が融け出して混ざり合う錯覚。
ふと杏寿郎の大きな瞳が開いて視線が横に逸れ、顔が離れる。え?という顔をしたあやに微笑む。
「・・・さあ、あや。あっという間に地上に降りてしまった。行こう。」
観覧車から降りると直ぐにまた手を繋ぐ。