第17章 ※天馬行空 【宇髄天元】 3 完
でも、会う回数は減ったけど、会うとデートしてセックスするのは変わらない。デートはまぁまだいいとして、セックスは段々罪悪感が出て来た。何回かもうやめておこうって言ったんだけど、「お願い。もうちょっと。」って言われてそのままズルズル。
クリスマスの一週間前。昼過ぎ位に宇髄君にお茶に誘われた。メッセージの文面から、なんとなくいつもと様子が違うのを感じた。食事じゃなくお茶ってのも珍しい。その後に何か予定があるのかな?
待ち合わせ場所に行くとなんだかいつもよりも綺麗目な宇髄君の恰好。
新しくできたおしゃれなカフェで可愛い飲み物を飲んでおしゃべりをして店を出た。手は繋がないようにポケットに入れた。
川沿いを歩きながら思わず聞いてみる。
「この後彼女とデート?」
「・・・まぁ・・、うまく彼女になってくれればデート。飯とか誘おうかと思って。」
「きっとうまくいくよ。良い報告待ってるね。」
「ありがと。」
「・・・。」
「・・・。」
宇髄君が言いにくそうにしているから、私から言う。
「・・・ねぇ。宇髄君。そろそろ私たちのセフレも終わりにしよ。その子に悪いよ。」
「・・・あぁ。・・まぁ、うまくいったらそうなるよな。」
「今までありがとう。すっごく楽しかった。宇髄君に会えて良かった。」
「俺も。あやちゃんに会わなかったら、今頃どうなってたか分かんねぇ。喧嘩ばっかりして生意気で。・・・ホント感謝してる。」
「そう言って貰えて嬉しい。じゃあ。宇髄君。頑張って。宇髄君なら大丈夫だよ!いい男だもん。」
「ありがと。俺もあやちゃんにそう言って貰えると勇気が出るわ。」
宇髄君は立ち止まるとポケットから私の手を引っ張り出して、ぎゅっと握る。私もぎゅっと握り返して微笑む。涙が出そうだから早く帰りたいと思って手を離そうとしたら、もっと強く握られた。宇髄君の顔を見る。宇髄君は私の顔を真っ直ぐ見て少し真面目な顔になった。
そして私の瞳を見つめてゆっくり口を開く。