第17章 ※天馬行空 【宇髄天元】 3 完
「あや。俺と結婚してくれ。」
「・・・・・ん?」
「大好きで大切な人は?」
「あや。もうずっと。」
「セフレは終わりって。」
「終わりだろ?結婚すんだから。」
「・・・何で結婚?」
「俺、就職が東京で決まったから、ついて来て。・・・俺の為に逃げようとするから、もう逃がさねぇ。俺、あやの中ではまだ可愛い高校生の宇髄君?まだ頼りねぇ?」
「だって、私じゃなくてもいい人いっぱいいるから。」
「俺、もう6年近くもずっとあやだけが好きなんですけど?それじゃ信用できない?」
「・・・さっきから、何であやって呼んでんの?」
「俺の奥さんになるから。ちょっと気分変えて。あやだって宇髄になるからな。いずれは天元って呼んで。」
もう涙が我慢できなくなった。口元を手で隠す。
「これからデートって。」
「あやがOKしてくれたらデート。クリスマスは家でゆっくりしたいから、今日はちょっといいとこに飯行きたいし、結婚指輪も見に行こ?あや、指輪は一緒に買いに行った方が楽しいよってアドバイスしてくれたじゃん。」
「宇髄君は良い男だから大丈夫なんだろ?あや、ほら、俺に何か言うことあんじゃねぇ?」
私は横を向いて出てくる涙を止めようと深呼吸を繰り返した。涙を拭いた後、大きく息を吸って、吐いて・・・笑顔を作って宇髄君を見る。宇髄君は笑いながら腕を広げた。勿論そこに飛び込む。分かった。逃げない。・・・じゃあ、ずっと言いたかったことを言うね。
「宇髄君。大好き!」
「…俺、その言葉がずっと聞きたかった。」
宇髄君はキメツ学園っていう最近できた私立の小中高一貫校の高等部で、美術の先生をやりながら制作をするらしい。あの宇髄君が先生って。大丈夫かなその学校。
不死川君や冨岡君、伊黒君も一緒に先生やるんだって。
私も中学部の美術が空いてるからおいでって言われてる。・・・でも、美術の宇髄先生が二人もいたらややこしいよね?
💎天馬行空 完💎