第17章 ※天馬行空 【宇髄天元】 3 完
「・・・いけるんじゃない?言ってみたら?」
「・・・フラれるの怖ぇえ。」
私は驚いて宇髄君の顔を見る。宇髄君は赤くなって横を向いた。宇髄君そんな顔もできたの?ホントに大切な人なんだね。
「宇髄君もそんな心配するんだ。」
「するぜ。自信ねぇよ。」
「ねー。宇髄君。私さ、思うんだけど。何よりも今こうやってセフレと手を繋いで歩いているのから清算した方が良いんじゃない?。」
「えー何で?あやちゃんはキープだもん。フラれたら慰めてもらいてぇし、まだ相談にものって欲しい。」
「ふふふ。あ、そうなんだ。」
「・・・怒らねぇの?」
「怒って欲しいの?・・・・怒らないよ。いいよ。最後まで見届けてあげる。」
私がそう返すと、宇髄君は少しだけ悲しい顔になった後すぐ笑顔になって「ありがと」と答えた。
この日から週に一回以上会ってた回数が、二週間に一回くらいになった。大学の授業も少ないし、就職活動も落ち着いたからバイトをたくさん入れ始めたらしい。夜は卒業制作に励むんだって。
いつかそんな日が来るって分かってたから、元々そんなに宇髄君には依存しない様にしていた。寂しいけど、まだきっとお別れの日くらいまでは冷静でいられると思う。私の仕事はこれからが忙しいから丁度良い。
時々、宇髄君は好きな子のことで相談を持ち掛けてくるから、話を聞いて分かることは答えた。だんだん好きな子の話を聞いても心がチクチクしなくなった。
宇髄君。クリスマスにその子に何かしてあげたいからバイトしてるって教えてくれた。可愛いな。