第2章 ※恵風和暢 【不死川実弥】2 完
顔を離してあやを見ると、目に涙を溜めながら、真っ赤な顔で実弥を見ていた。
「・・何だぁ?あやサン。その顔」
「・・・実弥こそ。何、今の可愛い顔?」
「・・・あやサンといると、こんな顔になっちまうんだよ。これが嫌で、避けてたんだよ。」
「ほら、・・・じゃあもう恥ずかしいから目、閉じてろよ。」
実弥はあやの目を掌で覆い、口づけの続きをする。
あやは、ふふふと笑いながらその掌を自分の掌と絡め、実弥の手の甲に口づけして畳に下ろす。
「実弥・・。さっきの可愛い顔、見せて?」
「あやサンは安い女だなァ。こんなんでいいのかよ。」
優しい顔で微笑むと、あやの唇を舌でべろりと舐める。
「口、少し開けてくれ。」
あやが少し開けると、隙間に舌を入れて奥を探る。
「んっんっ・・・んっ・・」
あやの鼻にかかる甘い声と、舌と舌が絡みつき、くちゅくちゅという音が響く。
実弥の手があやの胸に伸び、着物の上から優しく揉んでいき、もう一方の手は袴の紐を解く。
胸元へ手を入れようとして一瞬考えて止め、口づけも離してあやの顔を見る。
あやの頬は上気し、とろりとした顔で実弥を見ると「どうしたの?」と優しく微笑む。
実弥はそんなあやの顔を見て、少し悲しそうな表情になりながらあやを抱きしめる。
「あやサン。さっきは嫌な思いをさせちまって悪かった。・・続きあやサンが嫌ならしねぇ」