• テキストサイズ

桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第15章 天馬行空 【宇髄天元】 1


夏休みに入る前頃に宇髄君は美術部に入った。
一枚絵を描くたびにキャンバスを大きくしながら、好きなものを熱中して描いていた。色や構図などの相談を受けるが、それ以外は制作活動に没頭していた。

・・・あれから、事あるごとにやはり体が少しだけ触れる。あまり騒いだり、注意したりして、美術室に寄り付かなくなると彼の生活が把握できないので、直接言うことは避けた。気が付かない振りをしてそっと離れるだけ。

夏休みは朝から夕方まで美術室で本当に絵をよく描いていた。
私が他の美術部の子の指導や、受験する生徒の指導をしている間も、ずっと美術室の一角を宇髄君専用スペースにして制作活動をしていた。油彩だったり、水彩だったり、受験の生徒と一緒に、鉛筆や木炭デッサンだったり。準備室で見つけた粘土を捏ねて自分の顔を作っていたこともあった。粘土の顔を石膏で型取りして石膏像にする方法を教えて、一緒にやったらなんだか喜んでいた。
宇髄君のキャンバスが100号になる頃に夏休みが終わった。

・・・そういえば最近、宇髄君は怪我をして登校することもほとんどなくなった。あんなにいた女の子たちと一緒にいる所も見ない
・・・あぁそうか、授業に行く以外は美術室でずっと絵を描いてるんだ。絵が本当に好きなんだ。へー。
朝、私よりも早く学校に来て、美術室にいることもある。そして下校時間ギリギリまで描いてから帰る。


/ 265ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp