第14章 ※炎炎 【煉獄杏寿郎】4 完
「不死川さんとそういうことをする前にあなたとしたかった。ずっと愛していた人だから。」
・・・・俺も妻がいて、あやと触れ合っていた。自分の気持ちには折り合いがついていたから何も思ってなかったけど、あやが不死川とキスをしたと聞いてかなりショックだ。あやのあの可愛い顔を不死川も見たのか。そしてこれからもっといろんな顔も・・。
・・・あぁ。俺はあやに毎回こんな思いをさせていたんだ。
あやが俺の顔を両手で挟む。俺の瞳を見つめて言う。
「杏寿郎。愛する奥さんの所へ戻りなさい。」
・・・あや、俺はもう寿美を愛していない。と言っても駄目だろうな。そもそも最初から寿美はあやの代わりだった。と言ったら軽蔑するか?
・・でも、あやが望むなら、寿美を愛する努力はしてみよう。別に嫌いではないのだから。
あやは俺の頬へキスをすると立ち上がった。
「いい思い出をありがとう。会えて嬉しかった。」
俺はあやの家から出ると、予定の時間に飲み会の店に行った。最後のあやの言葉に何と返事をしたか覚えていない。
いつもの宇髄、伊黒、冨岡、不死川との飲み会。
宇髄と不死川がいろんなことをよく喋って、俺はたくさん食べながら聞く。冨岡はマイペースに飲んだり食べたり、話に入ったり。伊黒は基本は聞き役だが、たまに鋭いことを言う。
皆、酒もたくさん飲んで、ワイワイ楽しかった。俺の隣は冨岡が座っていた。3時間ほどしたら、不死川が帰ると言って俺をチラと見てから店を出た。あやの所へ行くのだろうか?