第14章 ※炎炎 【煉獄杏寿郎】4 完
奥に奥にと打ち付けていくと、少しずつあやの腰が逃げていく。あやがこう動いているときはもう絶頂が近い時だ。
「あや、いいぞ。いってくれ。逃げるな。」
あやは少し顔を横に向けて、目の端でチラと俺を見る。
口元は少し笑っていた。俺は腰を持って何度か深く打ち付ける。何度目かの時にあやはぎゅと目を閉じた後、また薄く開いて俺を見ると口を開く。震える小さな声で「愛してる。」と。
すぐに目を閉じて、あやの腰に置いている俺の手をばっと強く掴む。「ああああっ」と大きく喘ぐとぎゅっぎゅっと規則的に中が締まり始めた。ぶわっと俺は背中から肌が聳ち始める。
「あや・・・あや。」と何度もうわ言のようにあやの名を呼び、あやの腰を片方の腕で抱き抱え、あやの背中に覆い被さる。首筋や背中にキスをして、時々舌を這わせる。あやは俺が何をしたいか察して、肩から振り返る様に俺の方を向く。
その唇を捕らえて舌を絡めながらぐりと腰を押し込む「んんっ」と鼻に掛かる喘ぎ声をあげて俺はまた昇り詰めた。
擦りつける様にゆっくり数回腰を動かして出し切り、抜く。
あやの横に倒れ込むように横になり、あやの顔を見る。
涙でぐしょぐしょの惚けた顔。まだ小さくふぅふぅと呼吸が乱れている。俺の好きなあやの顔の一つ。汗で頬に張り付いた髪を取って後ろに流す。
額をこつんと当てて瞳を見つめる。あぁ愛おしい。
「俺だって・・・愛してる。」とあやに微笑むと急に俺の目からボロボロと涙が出てきた。あやはそれを見て「ふふ」と笑うと俺の頬に手を添えた。あやの大きな瞳が数回瞬きしたと思ったら、あやの目からもポロポロと涙が零れた。
二人で涙が出なくなるまで見つめ合って涙を拭き合った。