第14章 ※炎炎 【煉獄杏寿郎】4 完
俺の車にあやを乗せてアパートに向かう。駐車場に車を停めてあやについていく。俺もあやも余り喋らなかった。
あやの部屋の前に着いてあやがカギを開けようとする。鍵穴に鍵を入れようとして、辞める。鍵を持つ手を少し眺めていた。
「・・どうした?」
「・・・杏寿郎。・・・見て、手、震えてる。」
あやが俺の方を向いて笑う。あやの顔は真っ赤になって目が潤んでいる。欲情している顔。
あやは「ん?」と、俺の顔を覗き込んでまた笑う。
「・・・杏寿郎・・・顔。」
・・・あぁ、言われなくても分かっている。もうかなり顔が熱い。興奮して眩暈がする。さっきから息が上がるのを深呼吸で誤魔化しているんだ。額に血管が浮いてる気がする。俺は視線を遮る様にあやの目の前に手をかざし、少し横を向きながらくっくっと笑って言う。
「・・見てくれるな。・・あや、君の顔もかなりだぞ。・・・・あぁ、あや・・早く開けてくれ。」
あやは深呼吸をしてくすくす笑いながらやっと鍵を開けた。
転がる様に俺たちは部屋に入る。
ドアが閉まった。後手にあやが鍵をかける。
玄関でお互い抱き合い、口づけを始める。
「ん・・・ふ・・・」と声が漏れる。口づけをしながらお互いの服を脱がす。あやの上着を脱がして、俺も脱がされて。舌を絡めながら、お互いのTシャツを首のあたりまで捲り上げて、顔を離して脱ぎ捨てる。
お互いの惚けた顔を見て笑い、またキスを始める。
俺はあやの腰を持って持ち上げ、俺の腰に抱える。あやの足からはスニーカーが落ちた。
・・・俺もまだスニーカーを履いたままだった。
キスをしながらあやに俺は慌てすぎか?と問うと、「ふふふ」と笑う。
あやはまたちゅっちゅっと俺の顔にキスを落としている。