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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第14章 ※炎炎 【煉獄杏寿郎】4 完


午前中は少しだけ部活があるので、家に戻るとシャワーを浴びて部活の用意をして出かけた。


剣道場の前に・・・・・あやがいた。
防具を持って。

「おはようございます!煉獄先生!」
「あぁ・・おはよう。あや、どうした?」
「明日大会だから最後に激励に来ました。」
「そうか・・・ありがとう。」

あやは、今日までの予定だったか?
あやは、・・・笑っているが、なんだか元気が無い。
・・・あやも俺に会いたかった?


次の日の大会に備えて、昼前には部活が終わった。
生徒が帰った後、いつもの様に一緒に小窓を施錠して回った。教官室の前で俺たちは向かい合う。
両手の指先だけ絡めて顔を見合わせる。

教官室に入る?入らない?今日は時間制限が無いから触れ合うとそのまま・・・いや、さすがにそれはまずいだろう・・・。

少し見つめ合うと、あやは視線を斜め下に下げ、下唇を噛んだ。
あやは何かを考えていたが、ゆっくり視線を俺の方へ戻し、微笑んで言う。


「ねぇ。杏寿郎。これから私のアパート来る?」

一瞬俺の呼吸が止まった。

・・・いいのか?
・・・よくないだろう、それは。


・・・何でダメ?
・・・もう今更じゃないか。


・・・戻れなくなる。大好きなんだから。
・・・触れ合いたいに決まってる。今日が最後だぞ。


・・・俺はまた我慢ばかりするのか?
・・・いやいや、でもそれは勝手過ぎるだろう。

・・・・。


俺は少し目を閉じて開く。
ふうっと息を吐いた。覚悟を決める様に。

もうあまり残っていなかった罪悪感はあっさり消えた。

成程、罪悪感というのは少しずつ無くなっていくものなのか。

もう色んな事がどうだっていい。

「あや、・・・それは、・・・そいういう意味でとっていいのか?」

「うん。そう。最後だから、したいと思って。」

「・・・ちょっとひどくするかもしれんぞ。」

「ふふふ。前も・・・杏寿郎、時々そうなってたよね?」

「あや、誤解があるぞ。勝手にそうなるんじゃない。大体いつも君のせいでそうなる。」
「・・・・車で行くか?電車か?」

「車、停めるとこあるよ。」
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