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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第2章 ※恵風和暢 【不死川実弥】2 完


実弥は少し神妙な顔をし、あやの額と自分の額を付ける。

「なぁ、あやサン。その・・・乱暴にして悪かった。嫌な態度取ったらもう放っといてくれるかと思ったんだ。」
「もし、許してくれるなら、もう一回抱いてもいいか?次は優しくするから。」

あやはじっと実弥の目を見ながら聞いていたが、ぽんと実弥の肩を叩いて体を離す。

「・・・何で?放っといてほしいんでしょ?」
「実弥はいい顔になったから、今回の私の役目はもう終わり。」

「俺がしたことが許せねぇ?」

「そんなんじゃない。もうあなたは自分で気持ちが処理できるだろうから。さっきの事を無理に償おうとしなくていい。」

「じゃ、またね。もうここに来ることは無いから、心配しないで。」

あやが立ち上がろうとするのを腕をつかんで止める。

「いやいや、待ってくれ。勝手に解決すんなァ」

実弥がずいっとあやに顔を近づける。あやはずるずると後ろへ下がる。
それでも実弥はぐいぐいと近づいてくる。あやは逃げようと後ろへ下がるが、あっけなく背中が壁に当たってしまう。

実弥もあやもしばらく見つめ合って止まっていたが、あやは目を横に向け、また実弥の肩を押す。

「実弥。もういいでしょ?」

「あやサン。目、見てくれ。」

「いい。」

あやは、髪で顔が隠れる様にさらに顔を横に向ける。

「なぁ、あやサンの綺麗な目、見せてくれよ。」

あやの髪を手でかき分けて、顔を覗き込む。
あやの目には今にも溢れ出しそうな涙。

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