第13章 炎炎 【煉獄杏寿郎】3
「で?どうすんの?離婚?不倫をダラダラ続けんの?」
完敗だ。おれは小さく一つ溜息をつくと宇髄の目を見る。
「・・・・・離婚したいがあやがそれを望まない。」
「実習期間の最終日にお互いの連絡先を消去して終わりにしようという事になっている。」
「・・・人の気持ちって、そんな簡単にいくかねぇ?」
「あやが大学に戻れば・・・少しずつ元に戻るだろう。」
「・・・ま。気を付けろ。」
宇髄はふうっと短く嘆息して準備室を出た。
察しのいい宇髄には気付かれてしまった。
・・・まぁでも、宇髄に正直に言ったからといって、宇髄は人に喋ったりするような奴じゃない。あやの実習が終わるまであと数日。大目に見てもらおう。…こういう事に俺は向かないのは俺が1番分かっている。
放課後の社会科準備室の秘密の10分。
今日はあやも俺もお互いの背中に腕を回して抱きしめ合ってキスをした。
水曜日は朝練無し。
放課後、あやと社会科準備室に行こうとしたら、不死川が準備室の前で待っていた。
「あや。俺の担当の生徒指導についての研修がまだだったろ?教えてやるぜ。30分くらい付き合え。」
「・・はい。ありがとうございます。」
「煉獄、席外してくれ。」
「あぁ。分かった。職員室にいるから終わったら呼んでくれ。」
あやと不死川が社会科準備室に入っていく。
バタン・・・と扉が閉じた。
俺はその閉じた扉を一度振り向いて見た後、職員室に向かった。