第12章 ※炎炎 【煉獄杏寿郎】2
次の日は朝から部活だった。
朝になると寿美はいつもの様子に戻っていた。
土曜日はいつも部活なので、いつもの様に「行ってきます」と言って触れるだけのキスをして出かけた。
あやに「休んでもいいぞ」とメッセージを送ろうかと思ったが、不自然なのでやめておいた。
あやは少し腫れた赤い目で部活に来た。・・・人の事は言えないが。
「おはようございます。」
「あぁ、おはよう。」
と、いつもの挨拶。
俺はもう自分で何を言い出すか分からないので、早々に防具を付けて稽古に参加した。あやも同じ気持ちだったようで、一緒に稽古をした。
あやは相変わらず強かった。強い眼差しが懐かしすぎてまた心が揺れた。
午前中みっちり稽古をしたら、気分が少しスッキリした。
ただの普通の稽古の日だったのに、いつになく厳しい指導を始めた俺に生徒たちは困惑していたが。
部活が終わると、あやは他の部活の実習生と食事に行くと言い、ニコッと笑って帰って行った。
俺はほっとして社会科準備室で少し仕事をすることにした。
「仕事を少ししてから帰る。」とメッセージを送ると、寿美はすぐに「わかった。」と返信してくる。
家に帰る気にならなかったのが半分。
本当に一学期の成績を付ける仕事があったのが半分。
コンビニで適当に買ったパンやおにぎりを食べながら成績を付けていく。1年生分が終わったので、壁際にある仮眠用のソファに横になった。昨日はあれからあまり眠れなかった。