第1章 出会い
船内を案内し終え看板に出ると、あたりはもう真っ暗だった。
『これで終わり。あとは自分で覚えて。』
そう言ってジェハの元を去ろうとしたディアに、ジェハが声をかけた。
「君は何故海賊に?」
ディアは足を止める。
『、、ここが、あたしの居場所だから。』
「君は女の子だ。危険を犯さなくても、違う生き方も出来るだろう?」
『この阿波では、女である事が危険なの。』
「え?」
振り返ったディアは、強い眼差しでジェハを見る。
『自分を守る為、船長が守ろうとしている物を守る為、そして船長を守る為にあたしは海賊として戦う。』
そう強く言い放ったディアの姿から、ジェハは目を反らせなかった。