第3章 三人目の龍
「かっ、」
「沈めな。」
「海賊だあああ!!」
ギガン船長の合図で次々にクムジの船に乗り込む。
ジェハが先に見張りを始末していてくれた為、気付かれずに近づけた。
「配置につけ!応戦しろ!」
「配置につけって、今更遅いよ。これだから役人は。」
『ジェハっ!』
ヒュンとジェハの手を弓矢が掠める。
すぐにあたしも暗器を投げ、ジェハを射った男を倒す。
『平気?』
「掠り傷だよ。んー、なかなか心地良い風だったよ。」
『もうっ、遊んでないで!』
ゆらりと背後で仕留めきれなかった男が立ち上がった。
それを見てジェハがフワッと跳ぶ。
「ああ、本当、この能力だけは最っ高だね。お返し♡」
「うわっ!」
ジェハの投げた暗器が命中する。
「と、飛んでる?」
空を翔るジェハを見た役人が驚愕する。
「おやすみ。いい夢を。」