第3章 三人目の龍
夜、看板で楽器を奏でるジェハ。
その姿を遠くから見つめる。
悲しいような、嬉しいような、葛藤しているような音色。
その音色から、ジェハの心情が読み取れてしまうのが憎い。
『、、行かないで。』
届きもしない、小さな声でそう呟いた。
『え?また町に行ってるの?』
次の日、姿の見えないジェハを探していたあたしに、また町に行ってると教えてくれる船員。
行かないで欲しくて早めに起きたのに、それよりも早く行ってしまったらしい。
「偵察に行って貰ったんだ。今夜仕掛けるからね。」
後ろからギガン船長がやってくる。
その言葉にホッと胸をなで下ろす。
白龍と青龍に会いに行ったんじゃないんだ。
「気持ちは分かるがしっかりおしよ。怪我するよ。」
『うん。大丈夫。』
大丈夫。
そう自分に言い聞かせる。