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空翔る龍に恋をして

第2章 恋の始まり


身体を拭き、余所行きの服に着替える。
戦いには向かないから滅多に着ないけど、お気に入りだ。
髪をとかし、うっすら紅をひく。
鏡に映る自分を見つめ、大きく深呼吸する。


『勇気を出して、ディア。』


そう自分に言い聞かせて部屋を出た。
船内を見て回るも、目当ての人物が見つからない。
さっきまでいたのに。


『ジェハを知らない?』


近くに居た船員に尋ねる。


「あ、お嬢。ジェハですかい?見てないですけど。もうすぐ夕暮れだし、どうせ街に行ったんでしょう。」


その言葉が何を意味するか分かってる。
女の人を買いに行ったんだ。
泣きたくなる気持ちをグッと堪え、追いかけるように船を降りた。


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