第2章 恋の始まり
あれから日に日にジェハは女性に対して甘い台詞を吐くようになった。
もともと軟派な彼であったけれど、最近特に気になって仕方ない。
女の子がいるお店にも行ってるみたいだし。
年頃の男だし、仕方ない事だと分かってる。
だけど、何か気に入らない。
「ディア?」
恨めし気に見つめていたのに気づいたジェハが、不思議そうにあたしの名を呼ぶ。
『着替えて来る。』
可愛げも無くクルリと背を向けて自室に向かう。
そしてすぐに自己嫌悪だ。
もっと言い方があったでしょう?
ジェハが優しく笑う度、気のある台詞を吐く度、どうせ他の女の子にも言ってるんだろうと思うとつい冷たく当たってしまう。
はぁ。
もっと素直になれたらいいのに。