第2章 恋の始まり
それから、数十年。
クムジの船を見つけては潰すも、トカゲの尻尾切りの状態が続いた。
その間にも、重い税に耐えきれず命を絶つ者、行方不明になる女、徐々に生気を失っていく人々。
『、っ、はっ、やぁ!』
ブンと風を切る音を立てながら剣を振るディア。
看板で一人稽古をしていた。
動く度に汗が散る。
キーン
『、っジェハ!』
ディアが振り下ろした剣を、一瞬で現れたジェハが受け止めた。
「また腕を上げたね、ディア。」
『それは、どうもっ!』
グッと力を込め剣を振り切ると、フワッと風を靡かせジェハが飛んだ。
「汗をかくディアも、官能的でそそられるなぁ。」
トンと少し離れた場所に降り立つ。
『そうゆう台詞は、口説きたい女性に言ったらどう?』
「だからディアに言ったんだよ。」
ニコリと笑うジェハに、ディアは小さく溜息を吐いた。