第8章 living for love 【七海建人】前編
「くま吉に?」
「そう。でも何故か、七海は問題ない。きっと認められたんだ」
「くま吉に?」
「そう」
にっこりと笑う五条さんは、もう目隠しを元に戻している。うーん、せっかくだから、もう少しあの男前を拝みたかったんだけど、、、
いや、いや、いや!!!それより!!!
「意味が全く解りません」
って、いつの間にか、七海さんに握られていた手も離れているし、七海さんくま吉を小脇に抱えて、ビール飲んでるし。
……かわいいな
いやいやいやいや
そんな事より!!!
「その くまね、ちゃんのおじいちゃん?とおばあちゃん?かな、入ってるわ」
「は?」
「へ?」
虎杖君と返事が重なった。
「呪骸ってこと?先生」
「いや、そうじゃない。まぁ、詳しくは調べてみないとわかんないだけど。かなり強い呪力を抑え込めて入ってるなぁ」
じゅがい?じゅりょく??何、それ???
「ちょっと調べたいからさー、借りてもいい?」
「いいですけど……」
「離れさせても、大丈夫でしょうか?」
七海さんが聞いてきた。
「ま、数日くらい大丈夫でしょ。変わりに、これ置いとくから」
そう言って七海さんを指差した。
「私は無理ですよ。明日も朝から仕事が入ってますんで」
「あ!間違えた。これこれ、悠仁の持ってた呪骸。コイツの設定変えとくわ」
「わざと間違えましたね」
「じゃあ ちゃん、今日はコレ連れて帰ってね。あ、それとも七海の方が良かった?」
ニヤリと笑う五条さんに、思わず
「は!?いや、な、何、言ってるんですかっ!?」
焦って答えていると、虎杖君が横を向いて笑っているのが見えた……