第1章 first contact ...
「へぇーーーパン屋さんで働いてるんだぁ」
「はぁ……」
先に運ばれてきたコーヒーに、砂糖……え?スティックシュガー何本入れるの このヒト!?
「で、それは働いてるパン屋さんのパン?」
五条と名乗った男性が、私の横に置いたパンを指差す。
「いえ、違います。勉強のために他のお店の物も食べてるんです」
「へぇー勉強熱心なんだねー。えらいなぁー僕の生徒達にも見習って欲しいなぁーーー」
「生徒……先生なんですか?」
「まぁね、こう見えても、GTGなんて言われちゃってさー」
「じーてぃーじ……?」
「グレート ティーチャー 五条なんてねっ」
陽気に話す目隠しをした男性は、どうやら学校の先生みたいで……いや、学校は!?授業は!?どーゆーこと???今、平日の真っ昼間なんですけど!?
それに、それに!絶対にGTGなんて言われてないよねっ!?
「あーその顔っ!信じてないねっ!僕の事」
「……見えてるんですか?」
目隠ししてるのは、目が見えないからじゃないのかな?
「見えてるよ。よぉーーーく、ね」
「それ目隠しじゃないんですか?」
「まぁ、ねっ。でも見えてるよ。君の事……」
何故か、その言葉にゾクッとした。
なんだろう。この人……ちょっと、いやかなり……テンション高くて不気味なんだけど……
「あ!来たよ!僕たちのオーダーしたパンケーキが」
その声に後ろを振り向くと、店員さんが生クリーム山盛りのパンケーキを2つ運んで来た。
「ここの生クリーム 最高だもんね」
ニカッと笑う自称先生。
僕たちって……あんたが勝手に頼んだんでしょう!?
とりあえずさっさと食べて、出よう。