第1章 first contact ...
「えええーーーっ、待たないとダメなのぉ?
僕、これでも忙しいんどけどなぁーーー」
背の高い目隠し???をした男性が残念そうに声を上げた。
???
いつの間にこんな近くにいたの???
いやそれより、いい年こいてそうな男性なのに、一人でここに来て忙しい???暇だから来てんじゃないのっ!?何、言ってんだこのヒト!?
いやいや、こーゆー輩は、相手にしないに限るよね。
早く席に案内してくれないかな、なんてソワソワしてると
「ねぇ、君さぁ、一人でしょ?一緒に食べない?」
「へ?」
…………
「えっ!?まさか、このお店に来て、そんなフツーーーーの頼むのっ!?」
「……はぁ?」
相席だけでも充分 親切にしてると思うんだけど、なんでオーダーにまでケチつけてくんの?このヒト。
「ダメダメっ!このお店はね、生クリームが最高なんだからさー!それに合わせたフルーツも、絶対に外しちゃダメでしょお?」
わざわざ長い足を組み直し、オーバーアクションで言う男性。
「シンプルに味わいたいんですけど?」
私の意見なんて知らん顔して、
「ダァメだって!僕のこと信じて!ねっ、ねっ!あ!おっねぇさーーーん!オーダー!お願いしまぁーーーす!!!」
オーダーしやがった……
なんなんだ?ほんっとーに、このヒトは!?
「あ、飲み物は何?コーヒー?紅茶?ジュース?」
「ホットコーヒーで……」
たっぷりの生クリーム……想像するだけで、甘ったるい。せめて飲み物くらいは、苦味を入れよう。
そう思ってコーヒーをオーダーした。
「ところで、何ちゃん?せっかくだから、名前教えてよ」
「え……」
「僕は五条悟。よろしくね」
ニカッと笑う男性……
なんなのこれ……新手のナンパ???