第6章 Femme fatale 【五条悟】後編
「いや、でも先に僕の事情をちゃんと話さないとフェアじゃない、かな?」
事情……?思わずじっと五条さんの顔を見つめる。
「この目ね、六眼って言うんだけどさー。ま、ぶっちゃけ何でも見えるんだよねー
それプラス僕の術式って、あー、僕の持ってる力の事なんだけどさー、400年ぶりに産まれた逸材ってヤツなのよ」
「へ、へぇー?」
そんな事、言われても何の事かよくわかんない。
「ま、だからこの力を受け継ぐ子供が欲しい、ってワケなんだけど」
「それ、確率悪くありませんか?400年に1度って……」
「いや、たぶん大丈夫。僕の術式は原子レベルにまで及ぶから、まぁ子作りは試したことないんだけどね」
パチンとウインクする五条さん。可愛く話してるけど、中身はリアルだよね……それに
「400 年前には出来なかったって、ことですよね?」
だいたい子供を授かる確率ですら低いのに、400年に一度の逸材って……ちょっとプレッシャーもハードルも高くない!?
好きって気持ちだけじゃ、どうにもならないんじゃ……
「いやぁーそれがね、その400年前の当主なんだけどさー、子供を作る前に他所の当主と呪いあって死んじゃったんだよねー ウケるよねー?」
ケラケラと笑い出す五条さんに、思わずシラーーーっとした視線を送ってしまう。
「あれ?ウケない?僕、ヤバいヤツみたいだった?」
「まぁ、どちらかと言えば」
「ま、ヤバいくらいじゃないと、この世界でやってけないからね」
た、たしかに……
「残念だけど ちゃんはもう、ヤバいヤツの仲間だけどね」
やっぱりケラケラと笑ってる五条さん。
「だけど」