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不確かな idea 〖 呪術廻戦 〗

第6章 Femme fatale 【五条悟】後編


「なんだか久しぶりだなーこの部屋に入るの」

「あの日以来ですよね?」

私の狭い部屋で窮屈そうに長い脚を折り曲げ座る五条さんの前に、ゲロ甘コーヒーを置いた。
そのゲロ甘コーヒーを美味しそうに飲む五条さん。

「嫁入り前の娘さんの部屋に簡単に上がれないでしょー?あ!あの日は特別ね、特別」

「私、腰が抜けてるわ、なんか変な液体でベトベトだったし?」

「そうそう!懐かしいな。そんなに日は経ってないのになぁ」

「ですね」


……


暫しの沈黙。破ったのは、私。


「クマ吉にお願いしようと思って」

その声に、こちらを向いて目隠しを下ろす五条さん。

その瞳はやはりキラキラと眩しくて……だけど照れてるだけじゃ話は進まない。

「私に何が出来るのか、本当に役に立つのか、そんな事考えても仕方ないのかな、って」

黙ったままじっと見つめ話を聞く五条さんに、私の顔は赤くなる。

「私の力がいつか役に立つのなら、私も五条さんや皆のために……」


ううん。
違う。そうじゃない。


私は首を大きく横に振って、吐き出すように言った。


「五条さんのこと、好きになったみたいです!
信用も信頼もしてるし……尊敬もしてます!!!」


「ははっ!どこかで聞いたセリフだ!」


大きな声で笑い出す五条さん。


「でも、少し足りないなぁー」


私の一世一代の告白が足りない!?


「好きになったみたい、なのかな?」


蒼い瞳が近づいて来た……


「ずるい……私が先ですか?」


「え?だって僕、言ってなかったっけ?明るい君が好きだよ、って」

「……」

「あれ?」

「初耳です。子供を産んで欲しいとか、必ず好きになるとか、そんなのは聞きましたけど……」

「うっそー!マジ?」

「まじデス」



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