第5章 Femme fatale 【五条悟】中編
て、手渡せない……
と言うより重すぎて持てない!?
「どうして!?」
焦る私の頭の上から笑い声が聞こえた。
「ははっ!凄いなー悠仁!触らせても貰えないなんて!」
「何、何!?どーゆーことっ!?」
「まぁ、おいおい ねっ。とりあえず食べよっか」
はっ!そう言えばここ、高級寿司屋のカウンターだった!こんなに騒いで大丈夫だったのかな!?
チラリとカウンターの中の人を見ても気にする素振りもない。
なんだかやっぱり訳がわからないな。
でも、出てくるお寿司はどれも美味しいし、虎杖君なんかカレー食べた後だ、なんて言ってたのに私より食べてた。
食べながら、さっきの私の話をする五条さん。
そして
「ま、そんな訳だから、皆もよっろしく〜」
なんて言ってるし。そんな訳とか言われても私が一番良く分かっていないのに、何故か皆は理解しているみたいだった。
「ねぇ、ねぇ虎杖君」
「ん?何っすか?」
お寿司を食べ終わって、今はデザートのアイスを食べてる。若いって凄い。けど、聞きたい事を一番話しかけ易い彼に聞いてみた。
「五条さんって、どんな人なの?」
「あーー俺もまだ良くわかんないんっすよねー」
は?
「伊地知さんやナナミンの方が、付き合い長いみたいだから良く知ってんじゃないですか?」
ナナミン……
「そうそう。僕の事はこの二人がよぉーーーく知ってるよ。何でも聞いてみてよ」
「そんな、私は……」
何故かモジモジしている伊地知さん。
そして七海さんの方に振り向くと。