• テキストサイズ

不確かな idea 〖 呪術廻戦 〗

第5章 Femme fatale 【五条悟】中編


「私が産まれた時には、曽祖父しか居なかったんですが、母が女の子を産んで、まぁ私の事なんですけどね。曽祖父は酷く心配していたらしくって」

黙ったまま相槌だけをうち、話を聞く五条さん。

「曽祖父が亡くなるときに『この子の力は、俺が持って行く』って言ったらしくて……
 ただ本当に私が小さな頃の話で、今さっきです。思い出したのも」

「みたいだね。凄く怒ってるよ。ひいおじいちゃん」

クマ吉を指差す五条さん。

「曽祖母が、かなり力の強い呪術師だったらしくて、曽祖父はそれを見るのが辛かった、ってよく言ってたようで」

「うん。だから、どうしても君にそんな辛い思いをさせたくなかったんだよね?」

「そうみたいですね。すごく優しい人だった事は良く覚えています」

私はクマ吉を膝に抱くと、そっと頭を撫でた。

「今もね、本当はひいおばあちゃんは外に出たがってるんだよ。それを止めているのが ひいおじいちゃん。
黙って見守るってさ、当事者よりもずっと辛いんだよね」

「……そうなんですね」

私はギュッとクマ吉を抱き締めた。そして大きく息を吐いて

「なので私には五条さんの言う、呪力も呪術も使えません。だからお役には立てないと思います」

きっぱりと言い切った。なのに

「ははっ。そうとも限らないさ。まぁ、君のひいおじいちゃんとひいおばあちゃんは、僕のことは お気に召さないみたいだけどね」

五条さんが私の膝の上にあるクマ吉を撫でると、またバチッ!!!と大きな音をたて静電気が発生した。


「おっと!」

「いたっ!!!」



/ 74ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp