第5章 Femme fatale 【五条悟】中編
「んじゃあ、先ず僕のことね」
そう言って五条さんは、
初めて聞いた呪術高専という学校の先生だと言うこと、呪術師にはランク分けのようなものがあって、自身は特級で向かうところ敵なしだ!なんて言ってたけど……
で、さっきのも“呪い”とか言うヤツで、祓ったらしい。
なんだか良くできたオカルトドラマみたいで、やっぱり頭の中で処理しきれない。
「で、まぁ他にも伝えたい事はあるんだけど、おいおいね」
「はぁ」
あーまだあるんだ。そうだろうなぁ。そんな簡単な話ではなさそう。だけど
「で、君。ちゃん。僕に判っている事は、君は呪力持ってる側だよね」
「たぶん」
「曖昧だなー」
楽しそうに笑う五条さん。
「このクマ吉の中にはね、二人入ってるよ。君のひいおじぃちゃんと、ひいおばあちゃん」
「それも呪いなんですか?」
「まぁ、そうだね。だけどどうしてかな?ひいおじぃちゃんが、塞き止めてる感じがするけど」
「あーーーたぶん、そうです」
「心当たりあるの?」
「はい。実は……」
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私の家系は、何故か女性にだけそう言った不思議な力があったのだ。
だけど、それにはルールみたいなものがあって、直接血を継ぐ女が産んだ“女の子”にだけ、受け継がれるモノで。
だから、嫁いできた“嫁”が産んだ女の子に、その力は宿らない。
だけど、その“女の子”が産んだ“女の赤ちゃん”には、力が宿った。
祖母は“嫁”だったが、私の母が直系の娘だったのだ。
女にだけ受け継がれた崇徳上皇の呪いは、こうして名前を変えてずっと続いていたんだ……