第4章 Femme fatale 【五条悟】前編
「思い出したんです。曽祖父と曽祖母の事」
「やっと?」
ニヤリと笑う五條さん。
「クマ吉、関係ありますか?」
膝の上にクマ吉を乗せ、頭を撫でながら聞いた。
「あるよ」
今度はまるで何でもないことを話すように、ケロッとした顔で言ってきた。
「はぁ~~~」
思わず大きなため息が私から出ると
「おっ、幸せ逃げちゃうぞー。ま、僕が捕まえちゃうけどねっ」
「ははっ……」
私から乾いた笑いが漏れた。
「どこまで私のこと、解りますか?」
「まぁ、大体かなぁー君が呪術師の家系、と言うか
あーちゃんね、崇徳上皇の末裔の末裔の末裔、ってとこかな」
「すとく…?」
「日本三大怨霊の1つね」
「こわっ!」
「だよねーでも、僕も三大怨霊の菅原道真の末裔だからね。ある意味お仲間。チーム三大怨霊ってとこ?」
「イヤですよ!そんなチームっ!」
「やっぱりー!?でもね、確実に僕たちは“チーム”を組むよ」
「チーム……?」
「そう!家族って言うチームねっ!」
両の人差し指を立てて、おどけたように言った五条さんに
「それ、プロポーズですか?」
私の言葉に、ポンッと手を叩き
「そうかー!そうなっちゃうねっ!よっろしくーーー」
「………………」
私の沈黙と共に、その場が一気に暗い雰囲気に包まれた……