第3章 it was fate
「あ!おつかれ 」
「あ、おつかれっ!さっきはごめんね、なんか騒がしくなっちゃって」
ロッカールームで着替えていたら、さっきまでレジをしていた同僚が入ってきた。
「ううん、大丈夫だよ。それより こそ大丈夫なの?」
「ん?何が?」
いつもより真面目な顔で近付いてくる同僚に返事をした。
「だって、なんかやたら威圧感のある二人だったし、一人は黒づくめで目隠しなんかしてるし、もう一人は柄の悪いネクタイに、変なサングラスしてるし」
って、ボロクソだなっ!でも確かに、その通りだ。
「だねー、でも大丈夫だよ。二人とも親切な人だよ?」
なんかわかんないけど 二人とも私の肩を軽くしてくれたし、五条さんも先生だって言ってたし、きっと七海さんも、、、
「それよりさぁーさっきのクマ。私にも見せてくれない?」
へっ?えっ!?
私がボンヤリと考えていたからか、同僚があり得ない距離まで近付いてきていた。
「ど、どうしたの?近いよ?」
「そぉ?それより、見せてよ……
ねぇっ!!!」
今度は凄い形相だ!!!
どうしたんだろう。同僚のこんな表情なんて見たことないよ。
「な、なんか怖いよ?どうしたの?」
「いいでしょ?それより、早く貸してよ!!!」
今度は声まで違う。聞いたことのない低い声で怒鳴られた。
「ご、ごめんっ!!!無理っ!!!お先っっっ!!!」
私はクマ吉が入ったカバンを、バッッッと抱き締めると、ロッカールームから急いで脱出した!!!