第12章 困惑
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「兵助…お前ホント好きだな」
ところ変わってここは5年の部屋
5年い組の久々知と尾浜の部屋に5人が集まっていた。
5人も6年生に倣って秘密会議をしていた。
「ん?あぁ、今日も上手く豆腐が作れたから…」
「いや、由利の事」
と、尾浜がそう言った瞬間忍びとしては明らかにやってはいけないレベルの動揺をした。挙句に大切な豆腐を落としそうになる始末だ。
「最近あの子暗殺しなくなったな。」
「でも、それも作戦のうちかもしれないし…」
「ただ6年生はずっと警戒してるな。すげえよな~あの精神力」
「あとさ…、男って偽ってても絶対由利の事好きな奴いるよな。」
と、5年生とは言え14歳の思春期男児達。
当然そういう話に流れやすい。特にあからさまに彼の事を好きだと知っている久々知に対しては弄りが強い
「なっ!?何言ってんだよ!!彼は男の子で…!」
「女だろうが。好きなんだろ?」
「好きじゃない!ただ顔が綺麗だと…!!」
「あとさ、男装ってことは…なんか晒とかして身体隠してるんじゃねえか?」
と、徐々に会話の内容が過激になっていく。
特にこの手の話が好きな三郎が輪をかけて話を進めていく。5年生は、彼が夜中に抜け出して1人で湯浴みをしていること知らないので余計に想像を掻き立てるようだ。
「とりあえず、伊作先輩は多分あいつの事好きだろ?七松先輩は…多分興味ないよな。」
「いや、逆に獣的だったりして?食満先輩とかは実はむっつりだったりして?」
と、5年生がゲラゲラと笑っていると・・・
ガラッ!!と5年生の部屋の襖が勢いよく開いた。
それは情報提供のためにやってきた食満と潮江と七松だった。
「あ…け、食満先輩…」
「潮江先輩も…七松先輩も…どうしたんですか…?」
「いや、仙蔵から奴に関するいい話を聞いたから持ってきてやったが…誰がむっつりだと?あ゛ぁ!?」
「何か私の悪口を言っていたように聞こえたぞ!」
「お前ら…気を緩めてんじゃねぇええええええ!!!!!」
と、ものすごく怒っているいる6年生に、5年生達が全員縮みあがっていた。
この後5年生達は6年生達に引っ張られて裏裏裏裏山まで鍛錬に連れて行かれたのであった。