第1章 編入
「はい、次は用具委員…」
「ぶぁっはっはっはっはっはっは!!!!!!!」
と、タカ丸さんが案内してくれた用具庫から地割れがするような笑い声が・・・
「これは…もしかして。守一郎!」
「ガッハハハ!!…あぁ、タカ丸さん!どうしたんですか?」
「どうしたじゃないよ、また大声で笑って…」
「いや、安藤先生のギャグを思い出してしまって…ブッフ!!」
「あぁ、もう思い出さなくていいよ。それより、ほら」
『どうも、はじめまして。由利若月です。4年い組です。』
と、ちょっと癖のある黒髪を下の方で結んでいるちょっとうるさい人だった。
「あぁ、編入してきた…。俺は浜守一郎!オレも編入してきたばっかりなんだよろしくな!!」
『うん、よろしく。』
と、かなり大声で挨拶をしてくれたが、手を掴んで振り回すような握手は慣れてなかった・・・。
「なんだ、守一郎。どうした?」
「あぁ、食満先輩!と…作法委員の立花先輩!!」
用具室の奥から2人出てきた。
それは久々知さんよりも大人びていて深緑色の制服を身に纏っていた。
「あぁよかった、若月。こちら6年生で用具委員の食満留三郎先輩と作法委員の立花仙蔵先輩だよ。」
『あ、はじめまして。由利若月です。』
「ん?あぁ編入生か。」
「…よろしく。悪いが今忙しいのでまた改めてくれないか。」
と、2人の先輩は彼をじっと見てどこか不機嫌になっているように見えた。タカ丸さんはそんなこと気にしてないようでじゃあ次行こうか、と彼を誘導して次は図書室に向かうことにした。
***
「…留三郎。」
「あぁ、あの編入生…なんだかキナ臭ぇな…。」
「ん?なんですか?先輩方」
「ん?いや…それより守一郎!笑ってないで急いで備品の修理をしろ!!」