• テキストサイズ

陰陽の集い 《忍たま乱太郎》 ※移行中

第10章 実習



***


「くそッ!!火薬の武器が多かったのか…」


苦無を所持していた守一郎は、陽動と聞いて真っ向勝負を敵陣に仕掛けてしまったが、相手が石火矢を使ってくると想定していなかったようですぐに敵に囲まれてしまっていた。


「おい!敵はどこだ!!」
「遠くへは行っていない!しかもガキだ!」

「くそ…足を掠ったか…」


物陰に身を潜めていた銃によって傷ついた足を見ていた守一郎だったが火を持った敵が近くに来て、より奥に隠れる。すると・・・

「うわぁ!!」「ぎゃぁッ!!」

と敵の奴らの声が聞こえ守一郎はそっと物陰から覗いてみた。
そこには両手に鉄扇を持った若月が石火矢を持っている敵の何人かを倒していた。


「若月!?」

『何してんだよ守一郎!!ほら、ひとまずここを離れるぞ。東側に敵が集まってくる。オレが注意を引くから守一郎は西側の喜八郎のところに行け!!』

「えっ…でも俺足を…」

『いいから!オレが引き付けてる間に!!』


と、守一郎を行かせてから敵が集まっているところに向かって行った。

彼は鉄扇を振るいながら、敵を切っていく。
彼の鉄扇は親骨はもちろん中骨も鋼鉄になっており扇に使われている和紙も鉄に近い丈夫なもので扇部分にも数センチの刃になっているのだ。
それを舞うように振るうことによって相手を切りつけ親骨で叩いて攻撃することもできる。殺傷力は少ないため、敵の目を欺くには十分だった。


「くそ!!中央門や城内の者も呼んで来い!!」


と、敵陣の声が聞こえてきたため彼は、少し高い屋根に上り様子をうかがった。中央門の方かかがり火が集まってくる様子と西門の火が弱くなっているのがよく見えた。彼はなんとか裏から回り込んで喜八郎達と合流を図る算段を・・・ッ!?


ズダーーーン!!!
という耳を貫くような音が近くで聞こえてきた。
彼はすかさず避けたが足元には小さな穴と煙が上がっていた。高度な武器を有するとは聞いていたが想像以上だった。


『ちっ…学園長、こんなとこに4年生連れてくるなよな…』


と、小さくつぶやいた瞬間背後に気配を感じた。
見ると刀を振り上げている男がいた。彼の乗ってしまった屋根のそばにある窓から出てきた敵だった。

彼は、鉄扇を構えようにも本能で避けられない!!と悟った。
その時・・・


/ 196ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp