第10章 実習
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城のすぐ近くの木の上で3人は城の様子を観察していた。
守一郎は、なんとも楽しそうだった。
「おぉ!!やっと忍者っぽいことができる!!」
『守一郎…。ちょっと静かにな』
「んじゃ、僕は西側から。」
「じゃあ俺は東から!!」
『んじゃ、オレが中央からな。』
「よし!!行ってくる!!」
と、先に守一郎が東側の門に向かって行ってしまった。
残った2人もすぐに動き出そうとしたとき「ねぇ」と、喜八郎が彼を呼び止めた。
『何?』
「あんまり無茶しないでよ」
『…はいはい。』
と、吐き捨てて彼も中央門に向かって行った。
喜八郎もそれを見送った後に西門に向かって行った。
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『さぁてと…殺しはダメなんだよね。』
と、彼は体の至る所に暗器として毒針を仕込んでいたが基本は自前の武器である鉄扇を使おうと両手に携えた。中央門の上から様子を伺い、見張りが来たらバレないように石を投げつける。
「痛てッ!!誰だ!!」
「えっ!?なんだ!?」
「お前!!今石ぶつけてないだろうな!!」
と。味方同士で揉め始めた時・・・
東側の門の方から敵襲を知らせる鐘の音が聞こえてきた。
東側の門には守一郎が行っている…少し嫌な予感がして彼は急いで東側の門に向かって行った。