第10章 実習
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そして、2日後の夜・・・
学園の正門前に、立花仙蔵と食満留三郎が先についておりその後に浜守一郎と綾部喜八郎、そして由利若月が合流した。
「お前達遅いぞ!」
「すみません…!喜八郎が…」
『直前まで穴掘りして眠いから行かないってふざけんなよ!お前!』
「だってぇ~…」
と、守一郎と彼に引っ張られている喜八郎はいまだに眠気眼な状態だった。食満と立花はそんな様子を見てハァ…とため息をついたが、すぐに冷静な顔つきをして「行くぞ…」と、小さくつぶやいた。
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忍術学園からかなり離れた位置にある城の前にたどり着いた。
6年の2人が、城から少し離れた木の上から遠巻きに城の様子をうかがっている。4年の3人はその下で待機をしていた。
「かがり火が4、見回りが10…15か。かなり守りが固いな…」
「だが、城の裏が切り立った崖なのが幸いだな。」
「あぁ。じゃ、作戦決行と行くか」
2人は、木から降りて4年生達に作戦を伝える。
城の守りが固いから4年生達は、見張り連中の陽動を仕掛ける。その隙に6年の2人が武具を奪いに城内に潜入する。
というものだった。
「やっぱ5年生にやらせるべきだったんじゃないですか?この作戦」
「5年生は、明後日から別の任務があると後から学園長に言われたんだ。文句を言うな」
『自分達はどのように陽動を?』
「城の北側は崖になっている。入り口は中央と東と西の3ヵ所しかないからその周辺の敵の注意を引き付けておいてくれ。半刻以内にはすべて奪ってここから逃げるからな」
「じゃあ、3人共頼むぞ」
「はいッ!!」『はい。』「はーい」
と、3人はそれぞれ散り散りになり城へと向かった。
残った2人はその様子を見ながらが期を待った。