第10章 実習
「ちょ…ちょっと待って下さい!浜守一郎や綾部喜八郎ならまだしもなぜ由利も一緒なんですか!?」
「いや~なんせ…」
この指令人数は5人が必要。6年生に頼むと揉めそう…5年生に頼むのはまだ早すぎるし…6年と5年がいる委員会も1つしかない…そして下級生にも危険すぎる…ということで、6年と4年のいる委員会に頼もう…ただそうすると、やはり1人足りない…そうだ!未だに無所属の由利若月も入れてしまおう!!
「…と思ったのじゃ。」
「それでしたら、なぜ作法委員と用具委員なのですか」
「それは、盗ってくるものが武具だからな。最も適任じゃろうが」
「まぁ…それは…」
と、2人は学園長に言いくるめられて渋々受けることになってしまったのだ。指令の詳細を聞いたのち、2人は学園長の部屋を後にした。
「おぅそうじゃお主ら」
「はい?」「なんでしょうか?」
「お前達、由利には優しくしておるか?女の子には、優しく…じゃぞ?」
と、学園長はニヤニヤと笑いながら2人にそう告げた。
2人はそのまま学園長の部屋を出た。
「全く…傍迷惑な指令だ…。」
「そうだな、だが!!武具に関しては無視できまい!よし!!守一郎にも伝えねば!!あ…」
「おい、守一郎だけでなく由利にも伝えなければならないぞ」
「あぁ…そしてそれを伝えるのは…今用具倉庫で片づけを手伝わせている俺か…」
「じゃ、頼んだぞ」
と、立花は穴掘りをしているであろう喜八郎を探しに校庭をウロウロし始めた。
食満は、あまり彼と会話を交わさないようにしていたため指令を伝えることが少し抵抗があったのだ。