第8章 危機
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『うぅ…』
「若月、そんなに寝坊したのがショックだったの?」
『ぁぃ…』
「アハハ、若月が寝坊なんて珍しいからね」
と、タカ丸と話をしながら作業をしているここは・・・
忍術学園内にある火薬庫にいた。
今日はタカ丸に頼まれて火薬委員会の手伝いをしていた。
「若月、手伝ってくれてありがとう」
『いえ、暇ですしオレ無所属なのでお手伝いくらいならいくらでもやりますよ』
「ありがとう、助かるよ。じゃあこの火薬をこのメモ通りにしまって貰っていいかい?1年や2年も一緒にやってるから分からないことがあったら遠慮なく聞いてね。俺はタカ丸さんと土井先生のところへ書類を持っていくから。あ、あと最近棚が壊れやすいから気をつけてね。」
そう言い残して、久々知兵助とタカ丸は火薬庫から離れて土井先生の部屋へと向かっていった。
「由利先輩、これそこに入れていただいてもいいですか?」
『あ、三郎次君。いいよ。』
「ぼくは石人とあっちの片付けをしますので。伊助、そっち頼むよ」
「はーい」
と、残った2年の池田三郎次君と羽丹羽石人君が奥を手前を彼と1年の二郭伊助が片付けることになった。
しばらくは静かに片づけをしていたら、彼の隣で伊助が台に乗って火薬の片づけをし始めた。
『伊助君、棚が壊れやすいみたいだから気をつけてね』
「はーい」
と言って、棚に手を伸ばして火薬の整理をする。
だが、そこは1年は組の力・・・バランスを崩した伊助が棚を押してしまいその弾みで棚が伊助の方に向かって倒れてきたのだ。
『あ!!伊助君!!』
彼は思わず彼の上に覆いかぶさり火薬棚を背中で受け止めた。
その時、火薬壺が彼の足に直撃してしまったのだ。