第8章 危機
「若月…。若月!」
『ん…んん…。』
「起きてったら!!授業遅れちゃうよ!!」
次の日の朝・・・斎藤タカ丸が、いつまでたっても布団から起きない彼を大声で起こした。それによりようやく彼は布団から起きた。
『ん~…なんですか?』
「なんですかじゃないよ!どうしたの?いつもなら僕よりも早く起きてるのに、今日は時間ギリギリだよ?」
『ふぇ…?…えっ!?嘘!!』
と、外を出るとかなり日が高い位置にあり遠くの方で生徒達の声が聞こえてきた。
彼は一瞬で理解した。昨日飲んだ生姜湯のせいですっかり熟睡してしまった彼は完全に寝坊してしまった。
『あー!!しまった!!た…タカ丸さん!!オレ準備してから行きますから!!』
「あ、僕待ってようか?」
『いいですから!!出てって!!』
と、思わず女らしい口調になってしまっている彼だが、タカ丸は気を遣って先に出て行った。彼をその直後に急いで寝巻を脱ぎ捨てて制服に着替える。そのスピードたるや忍たまをも超える速さだった。
『遅刻ーーー!!!』
と、猛ダッシュで教室に向かう。
ギリギリで授業には間に合ったが・・・
「やぁおはよう」とあの嫌味な奴が突っかかってきた。
「若月、貴様最近少々たるんでいるのではないか?学園一優秀なこの私が、忍たまとしての何たるかを…」
『朝っぱらからうるさい!』
「おっ?ご機嫌斜めだな。どうしたんだ?」
と滝夜叉丸が己の惚気話を話そうとしたが、自分が寝坊をすると言う失態にイライラしてしまっているためそんな話なんて聞いている余裕はなかった。