第7章 日常.2
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また別の日の夜・・・。
この日は久々に暗殺を行ったが、ギンギンに忍者していると言っている潮江文次郎に阻止されてしまった。
『全く…あの先輩は一番手加減しないから…。ちょっと掠ったよ腕…』
深夜に暗殺を決行した後、左腕にできた小さな切り傷を見ながら部屋に戻り新しい包帯をもって湯浴みをしに風呂場へ向かっていた。
この日も当然湯は張られていないため手拭いを水に濡らして身体を拭こうとしていた。
『はぁ…暗殺が終わったら、温かいお風呂入りたいな…。』
と、独り言をつぶやきながら体を拭いている様子を・・・
覗いてい…いや、監視している影が2つ・・・
「うーん…やっぱりかわいそうだよ」
「はぁ?何がかわいそうなんだよ伊作」
「だって彼女は、この数か月ずっと風呂に入らず身体を拭くだけなんだろ?女の子なのに…」
今日監視をしていたのは6年は組の善法寺伊作と食満留三郎の2人だった。善法寺が彼に対してそんなことを言うものだから食満は大きなため息をつく。
「あのな伊作、忍者になったらそんなに日常茶飯事じゃないか。それに女だからって情に流されて…」
「情とかじゃないよ、これは保健委員長として彼女の身体を心配してるんだ。…よし、僕ちょっと行くね」
「あっ!おいどこ行くんだよ!!」
そう食満に言い残してどこかへ行ってしまった。
残された食満は、再び身体を拭いている彼を見る。彼もまた少なからず照れながら見ていた・・・。