第7章 日常.2
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「うわぁーーー!!!何その髪!!」
授業終わりに4年は組を訪れると、やはりタカ丸がいち早く彼の髪の異変に気づき近づいてきた。髪をまとめているとおかしいので、降ろしていたため余計に目立つようだった。
「なっ…何があったの!?」
「滝夜叉丸の輪子が暴発して若月の髪をスパッとってとこ。」
「うわぁーー!!若月の髪がーー!!僕が今すぐ直してあげる…って、いいの…かな?」
『ここまで切れちゃったらもうどうしようもないので、むしろお願いします。』
「…分かった!!行くよー!チョキチョキチョキー!!」
タカ丸の神業的髪結いで一瞬で綺麗に切りそろえてもらった。
それでも1つ結びくらいはできるほどの長さにはなっているから彼はそのまま髪の毛を元に戻した。
『ありがとうございます。タカ丸さん。』
「うん、きれいになったね!あれ?そういえば滝夜叉丸は?」
「あぁ、また凹んでます。」
「…ん?」
『オレ髪を切られた時、オレが必要以上にブチ切れちゃってその圧に押されて思わずビビっちゃったことがショックだったみたいで…』
「今教室の隅で落ち込んでます。」
「アハハ…そうなんだ」
「んじゃ、僕ら教室に戻りますね。」
『ありがとうございました。』
そう言って2人は教室に戻っていった。
タカ丸は満足そうに2人を見送ったが、少しだけ気がかりそうな顔をした。