第7章 日常.2
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今日の実技の授業内容は、校庭から裏山に移動しながら鬼ごっこをするもの。もちろん普通のものではなく鬼チームと敵チームに分かれて苦無や手裏剣を用いながら攻撃していくというもの。敵チームは捕まったら負け、鬼チームは攻撃されたら負けというルール。もちろん怪我をしないように注意しながら…というものだった。
「ふん!若月!!そちら側に行ったのならば覚悟しておけ!この私の戦輪の輪子の錆にしてくれよう!!」
『ケガさせたらそれはそれでしかれるんじゃないのか?』
「細かいことは気にするな!覚悟しておけよ!!若月
!!」
なんか、あの体育委員の先輩と同じようなことを言っているような気がしたが・・・まぁそれは置いておこう。
彼は、チラッと別の方を見る。それはもちろん喜八郎の方だ。相変わらず1人でフラフラと歩いている。すると視線に気づいたのか、喜八郎が彼の方を見る。
彼はすぐに視線を逸らすが、その後も喜八郎は彼をじっと見ているのを感じた。
校庭から、裏山の頂上まで道ではない道
先に敵チームが山に入る。数人は、頂上に向かって進んでいくが、彼は少し学校から離れた位置で待機した。敵チームの中でも逃げるための者と囮になる者とで分かれたのだ。
『…来た!隙あり!!』
「うわぁ!!」
鬼チームの先鋒が下を通った瞬間に、自前の鉄扇を閉じたままで相手をはたき落とした。鬼チームは敵チームに攻撃をされたら動いてはいけないルールであったためはたき落とされた生徒は悔しそうに彼を見た。
すると、遠くから何かが飛んでくる音がした。
それが戦輪と気づきすぐに鉄扇で防いだ。
「若月!!覚悟ーー!!」
と、どこからか滝夜叉丸が飛んできた。