第7章 日常.2
それからまた数日後・・・
彼は暗殺の頻度をまた落とすようにした。さすがに100回越えの醜態は晒さないようにしなければならない・・・という本能から、より確実に暗殺を試みるために今は成りを潜めているのだ。
『はぁ…暗殺を控えて普通の忍たまとして過ごしてるなんて…凄く情けない…。』
教室の窓から外を見ながら、項垂れていると・・・
教室に誰かが入ってきた。
「ねぇ~、次校庭で実技だよ。早く来なよ」
『えっ…あ、うん…』
声をかけてきたのは、同じクラスの綾部喜八郎だった。
いつものとおり少し泥をかぶっている彼がそれだけ伝えて廊下を歩いていった。
彼は、喜八郎の姿を見てなんとか平常を装ったがそれでも・・・この前キスされたことを思い出してしまった。
アレ以降何もないけれども・・・
それでも女だとバレている以上は気も使うし・・・何より・・・!!
『キスされたのなんて初めてなのに…』
という恥ずかしさから彼の顔がまともに見れなくなっていた。
くぅ~…と一人で悶絶していたが、そこにさらに
「おい若月。何をしているんだ。実技だと知っているだろう」
『あ…なんだか滝夜叉丸見ると安心するよ…』
「おっ!?なんだ若月!!貴様もようやく私の魅力に気づいて…」
『違う、さっさと行くぞ』
と、滝夜叉丸が来たことによって気持ち的に楽になったため実技の授業を行う校庭に出る気になった。