第6章 印象
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ところ変わって4年の忍たま長屋・・・
「いけいけどんどーーん!!」
「うわはぁあ!!なっ…七松先輩!?どうしたんですか…?」
「おっ?滝夜叉丸しかいないか。ちょっと聞きたいことがあってな。おっ?喜八郎はいないのか?」
「はい、また穴掘りに行きました」
4年い組の部屋の襖をスパーン!!と開けると部屋の中では自前の千輪を磨いていた滝夜叉丸がいただけで、例の喜八郎は不在だった。6年の3人はこれを好機と思い質問をつづけた。
「滝夜叉丸、お前由利の事はどう思う?」
「由利?あぁ、若月ですか?あいつ…あいつは…!!」
と、滝夜叉丸は突然怒りを露わにし始めた。
3人は、何か気になることがあるようで真剣な目で滝夜叉丸を見た。
「あいつは…私の輪子を馬鹿にした挙句、適当にやっただけと言って私に千輪にまぐれで勝っただけのくせに調子に乗りよって!キィー!!若月ー!!いつか私の輪子で泣かせてやるわーー!!!」
と、熱意と怒りを露わに怒り出した。
その燃える滝夜叉丸に、鍛錬バカの2人は・・・
「おぉ!!いい心意気だぞ滝夜叉丸!!ギンギンに戦え!!そしてねじ伏せてしまえ!!」
「えっ!?…いや、ねじ伏せるまでは…」
「滝夜叉丸!!体育委員として負けっぱなしで終わるな!!いけいけどんどんで勝負を…!!痛てッ!!」
と、あまりに熱が入って余計な事を言いかけそうになった2人に中在家が2人を殴って止めた。
「そうか、頑張れ。行くぞお前達」
と、中在家は2人を引きずって滝夜叉丸の部屋を出て行った。
残された滝夜叉丸は、嵐が去っていったような気持ちになったと同時に、彼への怒りが沸き上がってしまっていた。
「よぉし輪子!!若月を倒すために…より美しく磨いてやるからな~♡」
と、改めて千輪の輪子を磨き始めた。