第1章 編入
「んじゃ、僕が学園内を案内してあげる。あ、僕は《綾部喜八郎》と言います、よろしく~。」
『はい、よろしく。』
「んじゃ、まずこっちに…」
『はい…ってわぁあああ!!!』
綾部喜八郎に学園内の案内をしてもらうようになったが、学園の校舎前に出た瞬間に彼は落とし穴にはまった。
「おやまぁ」
『な…なんなんだよ!!この落とし穴』
「僕が掘った落とし穴。君学園に入るときはハマらなかったのになんで今ハマるの?」
『いや、普通学園の外に掘るだろ!!学園内に掘るなよ!!』
と、落とし穴から這い出ると綾部喜八郎はツーンとした表情でそっぽを向いた。彼は事の瞬間こいつは嫌いだと確定した。
「それより君、よく這い上がって来られたね。僕の落とし穴結構深いから普通の人はあんまり上がってこられないのに」
『えっ…そうなの?案外簡単に上がってこられたのに』
「…は?簡単に…?天才トラッパーの僕の落とし穴を…簡単だと?」
飄々とした表情しかしていなかった綾部喜八郎が急に鋭い目つきになった。どうやら綾部喜八郎は落とし穴にかなりこだわりがあると見て取れたので彼は面白くなって・・・
『あぁ、簡単に抜けられたからね。お前の作る落とし穴も大したことないな』
「そう…なら、今から僕と勝負しようよ。」
『いいよ、この学園の忍たまがどのくらい強いのか腕試ししてみたいと思ってたんだ』
と、綾部喜八郎はどこから出したのか鍬を構えてきた。
彼もまた備えで持っていた苦無を構える。
すると・・・
「ちょっと待てぇえええ!!!」
と、どこからか怒涛の勢いで走ってくる者がいた。
それはもちろん・・・