第1章 編入
『この度忍術学園に編入させていただくことに相成りました【由利若月】です。』
学園長に指示された四年い組の教室に入り挨拶をした。
4年い組にいる生徒達は端正な容姿の彼にほぉ…とため息をつくほどだった。
「フン!!少し見た目が私に勝るとも劣らないとはいえ、編入生!!まずはこの学年一成績優秀な私と勝負しろ!!」
と、教室内にいた1人の生徒が立ち上がった。
なんだがシャララ~キラキラ~な雰囲気を漂わせている忍たまだった。
『え、いいけど…』
「ふん!私は、学年一成績優秀な平滝夜叉丸だ!今すぐ表へ出ろ!!」
『なんでいきなり…』
「うるさい!!いいから表へ…!!」
「滝夜叉丸は、君が予想以上に美形だから少しでも勝ってるとこを探したいだけだよ。あんまり気にしなくていいよ」
と、別の生徒が彼と滝夜叉丸の間に入ってきた
その生徒は飄々とした雰囲気で彼と同じくフワフワとした髪が特徴の生徒だった。
「なんだよ喜八郎!私とこいつの勝負を邪魔するな!!」
「今から授業なのにどうやって勝負するのさ」
「うぐ…」
正論を言われた滝夜叉丸はそのまま大人しく座ってしまった。
勢いのなくなった滝夜叉丸にちょっと拍子抜けしてしまった彼は、担任に言われるがままに教室の後ろの方に座った。
その隣になったのは、あのフワフワ髪の生徒だった。
その生徒はなぜか彼の顔をじっと見ていた。
『…ん?なんだ?』
「…いや、君…」
カー―――ン!!!
と、かなり大きな音で鐘の音が響いてきた。
それを皮切りに授業が始まった。