第6章 印象
「お前…いつの間に…ってか何で!?」
「キリ丸が…「いや~菓子売りのバイトを手伝って貰った縁でついでに図書委員の仕事をやってもらおうとお願いしたんスよ~」と言っていて手伝って貰った…。なかなか真面目で仕事が丁寧だった…。」
「だからって暗殺者に頼むなよ…。長治、まさか毒されてないだろうな」
「キリ丸が…由利を信じている…。俺は同じふりをした…。それだけだ」
と、中在家が6年生にそういう。
言われてみれば、他にも心当たりのあることがあった。
「そういえば、奴を見張っていた時火薬委員会も奴に手伝いを頼んでいたな。斎藤タカ丸と同室という縁もあっての事だろうが…」
「兵助は一体何をしているんだ…。」
「うーん…よし!!聞きに行こう!!」
「はぁ!?小平太何を突然…」
「聞いてみればいいじゃねえか!5年と、ついでに4年にあいつのことを!!そうすれば奴の内情もより分かるんじゃないか!?」
「ぐっ…またこいつは、核心をつくことを…」
「でもいいんじゃないか?僕達が見てないところも見えるかもしれないし」
七松の提案に、善法寺も賛成したが食満と潮江は少し腑に落ちていないようだった。
「では私と留三郎、伊作が5年。文次郎と小平太、長治が4年に聞き込みをしてきてくれないか。今日奴はどこにいるんだ?」
「キリ丸と…水売りのバイトに…」
「またバイトか!!」
「顔が綺麗だから…売れ筋がいいと、キリ丸が喜んでいた。」
と、中在家が冷静に言う。
そして6年生は各自分かれて聞き込みを始めた。