第6章 印象
「喜八郎が?」
「あぁ、昨日裏山で喜八郎と由利が話していたのを聞いた。喜八郎は奴の正体こそ気づいていないが女であることは気づいているようだ。」
ここは6年生の忍たま長屋の1室。
6年い組の立花仙蔵と潮江文次郎の2人の部屋に6年生達が集まって秘密会議を行っていた。
「まぁ喜八郎ならばむやみに口外するようなことはしないだろうが…少し厄介だが。」
「もしかしたら、もう暗殺者だってことも気づいてる可能性もあるんじゃないか?攻撃したんだよな?」
喜八郎が同じ作法委員会の後輩である立花と善法寺伊作は少し心配しているようだった。それとは正反対に彼の存在を未だに疎ましく思って居る者達が声を上げた。
「やはりあいつはさっさと追い出すべきだ!」
「あぁ、俺もそう思う。これ以上奴の情報が漏れれば厄介なことになる。だからバレる前に対処すべきだ。」
そう言うのは、潮江文次郎と食満留三郎だった。
いつもは意見の合わない2人だが、今回ばかりは意思が一致していた。ちなみに外は大降りの雨だった・・・。
「いや、私はいいと思うぞ!奴の存在は我々にとってもいい刺激になっているし奴の暗殺の技術はかなり高度だ!学ぶことは多い!」
「…ボソ…ボソボソ」
「おっ!長治も同意見だ…ん?何!?図書委員の仕事を手伝ってもらっただ!?」
という中在家長治の一言に6年生全員が沸いた。