第4章 日常
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数日後・・・の夜
この日は日中に暗殺は仕掛けずに再び深夜に襲撃することを決めたのだ。
ここ数日、彼は暗殺を仕掛ける日と仕掛けない日とを分けていたため少し監視の目が薄くなるだろうと踏んで今回は初回と同じ手で暗殺に挑んだのだ。
だが、少しやり方を変えて今度は堂々と部屋に入るのではなく学園長の部屋の床下に忍び込んだ。そして、学園長が寝ているであろう位置の真下に接近した。
そして、懐に隠していた毒を纏った針を取り出した。
しかし、それはいつもの針ではなく少し太い針を使って床下から学園長に針を刺そうとした。
『…ッ!!』ガキンッ!!!
針を構えて勢いよく床を貫通させようとしたが、タイミングよく飛んできた手裏剣が床と針の間に入り貫通を防いだのだ。
針は折れなかったが、彼は誰かが見ていると確信してこの場から離れようとしたが仰向けの状態でいたためすぐに動けずに手裏剣を投げたであろう相手に捕まってしまった。
その相手に両腕を拘束され、首元には苦無が宛がわれた。
「フッ…今日の勝負は俺の勝ちだな。」
と、声で相手が6年の食満留三郎だと気が付いた。
彼は少し暴れてやり過ごそうとするが、相手はあくまで6年・・・しかも男相手なため動くことができなかった。それでも彼は暴れるため彼の忍者装束が少しはだけてしまった。
食満は目が慣れて暗闇の中でも見えるようになっていたため彼の胸元を少しだけ見てしまい頬を赤らめたが直ぐに我に返った。
「…ッおい!ここで暴れるな!!床下で、狭いん…だ!痛ッ!!」
彼が食満の手を振り解こうと暴れたせいで食満は学園長の床下に頭をぶつけてしまった。その振動のせいで・・・
「くぉらーーー!!わしの眠りを妨げるのは誰じゃぁああ!!!」
と、起きてしまった学園長が雄たけびを上げた。
結果これにより本日の暗殺も失敗に終わってしまった。