第4章 日常
タカ丸に髪のセットをしてもらい、朝食のため食堂へ向かった。
彼はタカ丸と話しながら暗殺のチャンスをうかがっていた。もちろんそれを悟られないように・・・
「あ、学園長先生おはようございます。」
『えっ…⁉』
「おぉ、4年の斎藤タカ丸と由利若月か。おはよう」
いきなりターゲット登場!?にさすがに長年暗殺をしていた彼も少し動揺した。でも、朝のこの時間帯なら…とタカ丸に『行きましょう』と諭し学園長の後ろについた。
朝の時間帯は当然他の生徒も食堂に集まるためかなり混みあっていた。みんな1列に並んで朝食定食を受け取っていくが学園長はそれに律義に並ぶのだ・・・だから、それを見て彼は学園長の後ろにタカ丸を置きその後ろに並んだ。
「おはようございます。はい、学園長先生。」
「どうも食堂のおばちゃん」
と、忍術学園の厨房担当の食堂のおばちゃんに朝食を受け取ってその後お茶とか箸を受け取るために、しばらくはこの列のまま連なっていくが、彼はその瞬間を見逃さなかった。
彼は、こっそり持っていた小さく玉状のものを学園長が持つ朝食の味噌汁に投げ入れた。
彼は、昨夜使った鉄扇と毒針に加え常に持っている毒薬も暗殺の道具として使っているのだ。それをターゲットである者の飲み物や料理に混ぜて殺すのだ。今回も同じように、学園長の味噌汁に毒を混ぜて殺そうと試みた。
お茶と箸をもって、空いている席に学園長が進んでいく様子を怪しまれないように見ていると・・・
「ごちそうさまでしたーー!!」
と、誰かが大声をあげて立ち上がった。
それは昨日のやかましい人・・・七松小平太だった。