第3章 条件
***
「ね、ねぇ!!」
『あれ?ついてきてたんですか?なんですか久々知兵助さん』
「はぁ…アレ?俺のこと覚えてたの?」
『覚えてたの何も、ここの生徒の名前は大半は覚えました。潜入の基本です。』
「おぉ!さすが暗殺者」
『それ…ほめてるんですか?』
と、なぜか久々知兵助は普通の会話を彼としてしまっていた。
彼も突然のことに少しだけ驚いていた
『久々知さん、なかなか変わってるって言われませんか?』
「あぁ、言われる。あ…それより、君本当に…」
久々知が確信を突こうとしたとき、彼の顔つきが変わった。
でも彼もまた手練れの暗殺者綺麗な笑顔を向けて彼に問いかける
『久々知さん、いいんですか?』
「え…?」
『いつまでも、そんな丸腰で』
と、久々知が彼の顔を見ようとした瞬間彼の姿は正面になく代わりに首元にヒヤリと冷たい気配を感じた。
見ると、彼は左腕で久々知の腕を足を久々知の足に絡ませ右手には彼が長い髪につけていた百合の飾りがついた簪を宛がっていた
「…ッ!?」
『殺しはしませんが、仮にもオレ…いや、あたしは暗殺者です。どうぞ、知らぬ間に首を掻き切られないように』
と、優しく彼に言い聞かせ身体を放した。
解放された久々知は咳混みながら自室に戻っていく彼を見た。
彼は、久々知の事を見ずに部屋に入っていったが、なぜか久々知にはその顔がつらそうに見えて仕方がなかった。